{DE}dolog

dolog=blogにdo、動詞をつけた造語です。 情報選択行動のlog(記録)として書いていきます。

ニュータイプとコオーディネーション


ニュータイプとコオーディネーション
今回は、私の好きな機動戦士ガンダムに出てくるニュータイプと、ドイツ発祥のコオーディネーションに共通性が見られる箇所があり、それについて考えてみました。

まず、機動戦士ガンダムをご存じでない方々の為に、ニュータイプについて、簡単にご説明させていただきたいと思います。

そもそも、機動戦士ガンダムというのは戦争を通じて語られる群像劇でありまして、その世界観を語る上で大切なことは、その“軸”にあります。

設定として、地球に住んでいた人類が、その人口増加に耐えかた上で、地球を飛び出し宇宙へと生活の場を求め、コロニーという人口の居住空間を作り出す、というところからスタートします。

そこでジオン・ズム・ダイクンという一人の男がジオニズム(ジオニズムについては、こちらをご参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0)を唱えるのですが、そのジオニズムの中に出てくるのが“ニュータイプ”です。

宇宙(そら)へと活動の場を広げた人類は、宇宙という空間に出ることで、自らの意思が空間へ反映されている事を鋭敏に感じることできる存在へと進化しました。それがニュータイプです。この、自らの意思が空間に反映する、という点が味噌ですね。

それに対して、シャア・アズナブルをして「地球の引力に魂を縛られている」という表現を用いて言われるのが“オールドタイプ”で、オールドタイプの特徴は、既存の杓子定規の中でしか物事を語る事が出来ず、頑なになっている人間、つまり非常にクローズドな人間達、と個人的には捉えています。

要するに、このニュータイプとオールドタイプの、もっと雑な言い方をすれば、地球と宇宙に住む人たちの争いを描いたものが機動戦士ガンダムという訳です。
得てして、宇宙に住む人たちは苦しい生活を強いられている事が多く、そのことに対する不満が戦争行為に繋がっている事が描かれています。

勿論、話はそう簡単では無く、まさに人間社会における複雑系で、地球側にニュータイプもいれば、ニュータイプ同士での戦闘など、誰が悪いでもなく、システムと感情に翻弄される“人間”を描写している物語です。

非常にざっくりした説明になってしまったのですが、そろそろ本題のニュータイプとコオーディネーションの共通する点について触れてみたいと思います。

人が宇宙に出る事で得たニュータイプ能力な訳ですが、このニュータイプの戦士たちは、劇中で非常に優秀なパイロットであることが多く、非常に繊細な操縦技術と、優れた内在感覚で敵の挙動を掴み、感じた上で戦闘行為を行い、多くの戦果を誇っています。

これは球技系スポーツにおけるコオーディネーション能力の高い選手のパフォーマンスと非常に似通っている部分があると個人的には感じており、私はサッカーが好きなのでサッカーで語ります。

が、上で述べた非常に繊細な操縦技術というのは、例えればドリブルやパスを出す上で必要なものでありながらも、これだけが優れているだけでは抜群の選手にはなりえません。

ここに優れた内在感覚が混在しあう中で初めて優れたパフォーマンスを発揮する選手だという評価がされます。

敵味方の位置を的確に把握した上で、どこの空間にどのような強さのパスを出せばどういう状況になるのかを予測した上でプレーを行うこと出来る。

ニュータイプの特徴として、敵味方関係なく“人の意思を鋭敏に感じられる”事が挙げられます。
この意思を感じるというのは、球技の中でも優れた選手はそこまで考えていると(勝手に)思っているのですが、味方がどのようなプレーをしたがっているのかを認識した上で自らのプレーを選択します。

よく、すぐれたサッカー選手はピッチを俯瞰で(鳥が見るように上から)見ることができる、と言いますが、これはコオーディネーション能力の中でいう“定位”能力。
パスの強弱は“分化”能力。

敵味方の動きをシグナルとしてとらえ、そこに即座に反応する“反応”能力。

味方からパスを受けてドリブルを始める際に、トラップとドリブルを結びつける“連結”能力。

敵から妨害行為を受け、たじろいでしまった際には、そこから立て直す際に“バランス”能力や、崩された運動を自らの運動体内リズムへ引き戻す“リズム化”能力が必要。

もし、自らのパスが相手にカットされてしまい、守備に切り替えねばならない状況になった時には、今までの状況から新しい状況へ適応しなければなりませんから、その時に“変換(もしくは適応)”能力が求められます。

ニュータイプにおいても同様に、まず、自らの機体が戦場においてどのような位置になるのか、また、どのような姿勢になっているのかを把握し、ライフルで敵を撃つのであれば、そのライフルの到達速度がどれぐらいなのかを踏まえた上で、相手の位置から移動速度を予測し撃ちます。

反応能力に関しては、設定上ニュータイプは人の意思を感じる事に優れているので、敵が自らを撃とうとする意思を捉えて、機体を制御します。そう考えると敵からすると、とんでもない反応速度のようだと言えます。

連結能力に関しては、例えばサーベル上の武器で相手機体を斬り付け、次の機体へ移動するなどする際に、自らの機体がどのような姿勢になるのかを勘案した上で動かす必要があるでしょう。

バランスやリズム化については、自らの姿勢だけではなく、登場している機体に関しても考える必要があるので、より高度なものになります。

そして、変換については今までサーベル上の武器で切りつけるなどしていたのを、相手の意思を感じた為に被弾を避ける運動に変える際などに必要です。

以上のように、機動戦士ガンダムの中で語られるニュータイプがコオーディネーションでも語る事が出来ました。
こんな風に言ってしまうと双方からも怒られそうなものですが…

ただ、双方において異なる点は、自らの体を動かした上で道具(ボール)を動かすのか、自らが制御している機体の動きをイメージした上で動かすのか、という点です。

同じ動かすにしても難易度という点でいえば期待制御しなければならない、という点でニュータイプの方が難儀な気がしますが…

タイプ、という点においても少し思うところがあります。

機動戦士ガンダムの中で登場するパイロット達の中で、ニュータイプでは無いオールドタイプのパイロットももちろん存在する訳ですが、中にはニュータイプの操縦する期待を圧倒するオールドタイプも存在します。

これは、コオーディネーション的な能力に優れた人物がニュータイプだとしたら、球技系スポーツにおける、エネルギー系要素に優れた人間が情報系要素(コオーディネーション)に優れた人間を圧倒する場面と似通っています。

さて、どうでしたでしょうか。
完全に趣味の世界の話で、自己満足的な内容でしたが、どちらかを好きな方が、(上記した文章に怒りを覚える事を超えて頂きまして…)もう一つに興味が湧き、こういった観点で楽しんでもらえることもあるのではないでしょうか、というお話でした。

失礼します!