{DE}dolog

dolog=blogにdo、動詞をつけた造語です。 情報選択行動のlog(記録)として書いていきます。

{DE}dolog SAQシンポジウム参加!!

◇日本SAQ協会主催のビッグイベント



ご存じではない方の為に、補足説明。



SAQシンポジウムというのは、日本SAQ協会主催のイベントなんですが、スポーツや運動の中で表現される動きの速さを

S:Speed 

A:Agility 

Q:Quickness という3つを言葉で表しているスポーツトレーニングの団体です。


ボク自身、普段からSAQ協会にお世話になっている事もありますし、他にもお世話になっている方々との年始の挨拶をさせていただく場として、自分の中でも大切にしているもの。


DSC_3378.JPG by ryusei hikaru

2月2,3日の二日間開催だったのですが、ボク個人は日程の都合上、3日だけの参加でした。



ボクが参加した3日の講師陣をご紹介すると…



1.なでしこジャパンのフィジカルコーチである早稲田大学スポーツ科学未来研究所研究員、広瀬統一氏の「女子サッカー選手のアジリティトレーニング」



2.cramer japan トレーニングコーチ豊田太郎氏による「Synergy - SAQトレーニングによる筋骨格系の冗長自由度の克服と制御 - 」



3.オレゴン大学ヘッドストレングス&コンディショニングコーチの James C. Raddcliffe氏「オリンピックに向けたストレングス&コンディショニング - 4年間から14分間 -」



以上の3名。



現在も研究員としてスポーツ科学の解明を進めている広瀬氏の現場に価額を落とし込みながらの解説は、現場で活動している人間として凄く助かる内容でした。



○何故、姿勢を良くした状態で動く必要があるのか。

○姿勢が悪い事で起こる問題点は何か。



この二点については、指導感覚として分かっているけれど、科学的に補足をしていただいた形になったので、勇気づけられた方も少なく無かったのでは。



現場で活躍する研究者の方と接点を持つ事は、その機会として多くは無いので、今回のセミナーに参加をし、現場の活動について補足してもらえた事は非常に良かったと感じています。



一つ飛んで、J.C.Raddcliffe氏は、アメリカトップレベルのオリンピックに向けた4年間のスケジューリングと実際に実施している内容を紹介。



日本国内にいる人間として、国内トップレベルの情報は得やすいものの、諸外国の内容は基本的に拝聴する機会が無い上、実際にトップレベルで指導にあたっている指導者が実演の際に指導実践する姿は中々に触れる事が出来ないものであり、貴重な時間となった。



そして、最後に日本SAQ協会のトレーニングコーチである豊田太郎氏の講演「冗長自由度と運動制御」は、N.A.ベルンシュタイン問題から運動制御に結びつけての内容をかなり噛み砕いた内容で、非常に分かりやすく冗長性とその制御について解説されていた事がものすごく印象に残っています。



◇ベルンシュタインの自由度問題





ベルンシュタイン問題については簡単にまとめたサイトがあったので、ご参照ください。

サイトの中に書いてあるのは以下の二つ。



ここで、運動やスポーツを行う上での自由度の問題を解説すると、ベルンシュタインの考えを基に運動を考えると、人間の運動動作は「行った分だけ存在する」と言えます。



それをわかりやすく解説しているのがこのBlog ( ベルンシュタイン問題 | 理学療法士ブログ )の中で触れている以下の問題。



例えば・・

テーブルの上のコップをとる運動を考えてみましょう73fc7c91.gif
そのとき手先の通る軌道は、無数に考えられますd07baf63.gif

軌道が一つに決まったとします。ところが、各関節角度の組み合わせは、また無数に考えられますfc916611.gif

それでは、関節角度も一通りに決まったとします。ところが、関節に働く筋肉の張力の組み合わせは、またまた無数に考えられます。

このように無数に解が存在するような問題のことを、不良設定問題といい、筋骨格系の自由度が多すぎることから生じるものです。

驚くべきことに、脳‐中枢神経はこのような問題を解いているのです5ceaee26.gifつまり、無限に存在する解の中から、一つのものを選択しているのですfa5e42f1.gif

このことから、動作や行為には解が無数に存在しており・・しかも、その解と二度と同じ経験をすることはありません8e2db9b8.gif動作の場面が変わっても、動作の結果は変わらない脳のシステム作成が行われていると思われますbf4d3d6c.gif
















以上の様に、無数に存在する解の中から“選択”している訳ですが、誰が選択しているのか…
上の記事だと、脳‐中枢神経が解決しているとしていますが、ボクの理解としては異なっていまして、 脳‐中枢神経はそれだけ無数の事を処理できるだけの力を持っていないと思うのです。
 

それをベルンシュタインは、いくつかの筋群の間でSynergyが存在する事により、自由度を減らして選択している、と述べているのです。



つまり、答えの無い中で答えを見つけようとする中で、身体器官がそれぞれ個別に、尚かつ“結果的に”協同して働く事で解答行為となっている“だけ”なんですね。



繰り返しになりますが、自由度が高いから、中枢だけでは制御できない、と言うか出来る訳が無い。

では、どうやって人の動作は動作として決定されているのか。

それは各器官が”独自の判断“で動いていて、上記した様に”結果的に“協同して働く事となるSynergyが存在するから、な訳です。



以前の{DE}dolog 技術って何ですか?でも触れた「反復の無い反復」は、このSynergy理論が説明する役割を担い、その理由となります。








その自由度の為に人の動作は再現性がある様に見えて、再現性は無く、それはプロセスを繰り返しているだけだが、それを保存できると勘違いをして、動作の再現性を求める事は、出来もしない事を求めるものだ、という事です。




以上、SAQシンポジウムへの参加してきた報告から、ベルンシュタイン問題についての解説記事の紹介、でした。




ENDO,Ryosuke

リンク



2013年02月03日

ビル

大宮ソニックシティにタッチ!(09:21)


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