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dolog=blogにdo、動詞をつけた造語です。 情報選択行動のlog(記録)として書いていきます。

{DE}dolog “チーム”と“グループ”の違いを明確に

日本には「チーム」がない

DSC06164 by shi_k今回は、齋藤ウィリアム浩幸著の「THE TEAM」のご紹介を。

著者はロサンゼルスに生まれ育った生粋のアメリカ人ですが、両親は日本人と言う日系二世。

タイトルに惹かれて思わず手に取ってしまった本なのですが、内容としては著者の来歴から始まり、「TEAMとは何をすべき集団であり、どんな集団なのか」という所へ。


最終的にはTEAMを構成するために一貫して、齋藤ウィリアム浩幸氏がどのような活動をしているのかを紹介している。


詳しい内容に関しては本書を読んでいただきたいので、今回はその内容の中でも自分の琴線に触れた部分をかいつまんでご紹介したいと思います。


チームを教育するアメリカ、個人主義化が進む日本


この文言が目に飛び込んできたときに何と違和感があった事か。

自分は勝手にアメリカの方が個人主義だろうと考えていたのですが、両国を跨いで仕事をしている著者の見解は違う様子。

ですが、以下の文章を読んだ時に納得しました。

日本では「アメリカ人は個人主義だから」と決めつけている人が多いが、いろんな国の移民が集まっているアメリカほど、チームの大切さを身にしみてわかっている国は無い。チームの中で力を発揮できるかどうかが、教育の基本になっている。
いくら個人としてIQが高くても、チームのメンバーとして能力を発揮できなければ評価されるのは難しい。チームの中でリーダーを育てるという考え方が徹底している。

 ここで書かれている事は確かにその通りだな、と素直に納得する事が出来ました。

個人主義、と言うよりも個人が主張しなければならない土地柄であり、誰もが主張しあう中で自らの能力を十分に発揮しようとするためにはどうしたらいいのか、という点で常に考えながら行動している訳ですね。


衝突を恐れない

今回の記事タイトルに使わせてもらった「“チーム”と“グループ”の違い」について、内容から抜粋します。

まずはグループについて。
チームとグループの違いはなんだろう。私がよくする説明はこうだ。
グループは、あらかじめ決められた目標を遂行するために集められる。日本の組織はほとんどがこのタイプだ。個々のメンバーは目標の立案に必ずしもコミットしていない。(中略)提案や創造性の発揮は求められていない。反対意見はグループの分裂につながり、容認されない。
 次はチームについて。
これに対し、チームでは互いに助け合い、補い合うことで目標が達成される事をメンバーが理解している。メンバーは仕事をさせられているというのではなく、自分が主体的にやろうというオーナーシップを持っている。自由に意見を言い合って、コンフリクト(衝突)を怖れないし、むしろアイデアが生まれるチャンスとなる。

非常に考えさせられる部分でした。

今まで自分は、“そもそもチームとグループの違い”すら考えた事がなく、ましてやその両者に明確な違いを定義づけるなんて事をした事もなかった訳です。

自分の中でホントにストンと落ちてきたのは、「個々のメンバーは目標の立案に必ずしもコミットしていない」という箇所。

実際に体験した事があっただけに心苦しいのと、確かにこういう形式で“チーム”と称している人達は少なくないように思います。


失敗を許容できる


個々の章は、最近、自分の生きる指針と言うか、モットーというか…

深く考えるテーマでもあるのです。

というのも、自分自身が失敗して、人に注意や指摘をされる事は決して嫌いでもないし、むしろ望んでいる事でもあるんですね。

ただ、人に対して其れを望むのではなくて、失敗が起こったのであれば、その原因だとか要因を一緒に考えてあげられるだけの人間的な魅力を持ちたいな、と思っているわけですよ。

お恥ずかしながらね。

そんな折に、本書の「チームは失敗を許容する」という項があり、その最初の一文にこうあったんですね。

チームは失敗を許容する。失敗を許容しなければ、チームとはいえない。

 これには読むにあたってので前提があって、チーム内では弱みをきちんと把握している事が必要だというのですね。

つまり、いい所だけではなくて、チームメイトの悪い部分も知っているからこそ、その部分を埋めるために働きかける事も出来るわけで、其れを知らないにもかかわらずチームは組めない、と。

失敗は成功の母なんて言い方をしますが、失敗したことでカムバックすることが難しい僕の今まで生きてきた世界では到底考えられなかったものです。


チームはいつでもだれでもなれる

今回、この本を読んで思った事は、常に当事者性を持って、日本というチームにほんの小さなことでもいいから、その一員として自分のできる活動をやっていこうという気概が生まれました。

僕みたいな名もなき人間でも、チームの一員として働く事が出来る訳で。
言ってしまえば、この記事を読んでいただいた方ともチームを組めるわけです。

狭義の直接的なチームではなくても、気概を同じく持ちながら行動していく事が、チームとしての活動になると思います。

いい本でした。