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dolog=blogにdo、動詞をつけた造語です。 情報選択行動のlog(記録)として書いていきます。

ドイツはライプツィヒからの帰国 その22

さて、1ヶ月半に渡って継続させていただいたシリーズでしたが、今回は、いよいよこのシリーズの最終項とし、総括を述べたいと思います。





今回の国際集中講座を振り返って、ドイツはライプツィヒ、旧東独のスポーツ最前線の地へ行けた事で自分の中での基準が変りました。正確に言えば、基準が変わったというよりも、たった2週間でも真剣な気持ちをもって行けば見え方が変わるんだな、と。

つまり、日本に対して少し客観的に見れるようになった気がします。

日本の中で日本を見る事と、日本の外から日本を見る事がこんなに違うものなのかと思うほど、心持ちが変わったように感じています。

まぁ、たぶん気のせいであり、思いすごしの可能性が高いですが…



僕自身、“コオーディネーション(ko-ordination)”という概念的な考え方に触れてみたのは、このシリーズの中でも出てきた豊田さんが実践・検証しているというお話を聞いたところからが始まりでした。



もともと、“コーディネーション(coordination)”という言葉は耳にしていたのですが、それが本質的にどんなものなのか、どういう経緯で生まれてきたのか、という点では全く持って無知でして、ただ「子供の時期に重要」としか考えていませんでした。





そんな中、高橋さんとの出会いが訪れ、日本での講座に参加した事が背中を押し、勢いに乗って飛んでしまった、という感じです。





このシリーズ「ドイツはライプツィヒからの帰国」というタイトルで講座の内容を紹介しようと決意したのは、多くは無い自分の経験の中から、多少なりとも日本のスポーツの為になる事をしたい、と考え、そこから出来ることを考えた際に「まずは人に伝えてみよう」と決意したのがきっかけです。





その旨を、この講座の主宰である高橋さんに相談してみたところ、快くブログ内で紹介する事を承諾して下さり、アドバイスまでいただきました。





たまたま自分がこのブログを開設していたこともあり(全く更新していませんでしたが…)、人に伝えるという事は自分でもその都度、確認でき、ドイツのライプツィヒに行った人間としての使命感を抱き、書いてきました。





内容の中では、全く予備知識が無い方からしたら難解なものであったと思いますし、既にご存じの方からしたら物足りない内容だったかもしれません。



それは単に僕の力不足であり、理解・伝達・文章構成などの能力不足が、そのような事態を招いてしまっていることは否めません。



ご紹介した中で、分かりづらい部分や、訳が分からない部分は完全に自分の上記したような能力不足によるところであり、逆に分かりやすい部分に関しては、そんな僕にでも伝えやすいぐらいにライプツィヒ学派の研究している事や、言葉が的確だという事です。





自分がライプツィヒ大学に赴き、大学のゼミルームで感じた最も大きなものは“歴史”して、その深さはちょっとやそっとじゃ覆せるものでは無く、覆せるようならば日本のメダル獲得数は、もっと多くなっているはずです。





Showbiz化してから大きな金額の動くものになった五輪(シドニー以来)とそれまでの五輪とでは少し趣が違うかもしれませんが、これから日本が世界の舞台で活躍する人材を育んでいくためには、僕を含めた一人一人が世界との違いを認識し、現状を深く検証し、歴史を作っていく事に他ならないと思うのです。





既存のモノではない新しいシステムを生み出し続ける事が試行錯誤を生み出し、それが多くの経験となって個人の世界を変えていくものとなるはずです。





日本の優れている面、劣っている面、それを包括的に見て、思考錯誤を繰り返していけるかどうか、という点に、日本のスポーツ界の今後があるように思った、というのがドイツはライプツィヒに訪れて感じた一番大きな点です。





このブログシリーズで触れていませんが、この講座の中では他にも「アクションアプローチVSモーターアプローチ」や「動作観察法」などの講義があり、これらについては別の機会に触れてみたいと思います。



その他に、IAT(国立応用トレーニング研究所)や、OSP(オリンピック強化センター)、SC-DHfK(総合型スポーツクラブ)への訪問や大学構内や周辺で行われているスポーツの練習見学も組み込まれており、現場を確認できる機会にも恵まれていて、ホントに盛り沢山の旅です。

ご興味がある方がいれば、今後、日本での講座も開かれるでしょうから、まずはそれに参加してみる事もいいと思います。



そして、現地の“指導者”達と直に触れる事が出来る機会もなかなか無いことです。これはライプツィヒ大学側でこの講座を担当して下さっているDr.Minow(ミノウ博士)やDr.Hartman(ハルトマン博士)の尽力の成せるところだと思いますし、それを活かさない手はないと思います。





以上、稚拙な文章ではありましたが、お付き合いいただきました皆さんありがとうございました。





今後も継続して旧東ドイツはライプツィヒのスポーツ科学についてご紹介していきたいと思います。



それでは。



遠藤涼介