{DE}dolog

dolog=blogにdo、動詞をつけた造語です。 情報選択行動のlog(記録)として書いていきます。

{DE}dolog ハイな状態を作る事は危ない?

アナンダミドという物質が今回の主役

名古屋大学(名大)は、線虫をモデル動物にした研究により、体内で鎮痛作用を示す内在性のマリファナ様物質(いわゆる脳内マリファナ)である「アナンダミド」が、切断された軸索(神経の線)の再形成(軸索再生)を阻害することを発見したほか、その阻害を仲介するシグナル伝達経路も同定したと発表した。

という始まりをした今回の記事ですが、僕は勉強不足だったので“アナンダミド”なる物質について何も知りませんで、ちょっと調べてみました。

えてして、こういうものを調べると相似的に色々な物質が出てくるものですが、中でも「THC」や「カナビス」という名前が出てきて、この二つと共に語られるものが多かったです。

2010-05-08 199 by 石川 ShihchuanTHCというのは、正式名称テトラヒドロカンナビノールという大麻向精神作用のある物質。
カナビスというのは、大麻の事でした。

マイナビの記事中でも語られているのですが、欧州では神経性疼痛の治療用に医療用大麻を使用している、ということで、向精神作用のある大麻を使用して、言い方は悪いのですが痛みを「誤魔化」す、という部分があるみたいです。

アナンダミドについて

そこで、今回のアナンダミドについてなのですが、このアナンダミドってのはTHCの類似物質、ということで、カナビノイド研究の第一人者ラファエル・マッカラム博士が1992年に発見されたそうです。


その性質としての説明は以下の通り。
脳内でTHCを取り込む脳のレセプターに対して、アナンダミドもきわめて容易に結合することを見出した。THCの場合は長く脳のレセプターに留まり強く長いハイを引き起こし、初心者でもくらくらするような法悦感じを味わえるが、アナンダミドの持続効果はTHCよりもずっと短い。

また、こんな説明もありました。
すべての哺乳類だけではなく魚や鳥類や爬虫類はどれもアナンダミドをベースとした調整システムを持っているらしい。それどころか、チョコレートに原料のカカオナッツにも見つかっている。
この下には「チョコレートを食べると楽しくなる理由はここにあります」なんて記述があって、少し笑ってしまいましたが…。

ただ、このサイト(下部リンクあり)の中で、
アナンダミドは幼少の哺乳動物の生存にも深くかかわっている。乳を飲むという本能的な行動の全体はアナンダミドの存在と密接に関連している。「もし、動物がアナンダミドを受け取れないようにしてしまうと、乳を飲まなくなってしまうのです」  とマッカラム博士は説明する。
と語られている部分があり、先の記事の中で触れられている名古屋大学研究グループの以下の文章と同時に読んでみると…
ヒト体内で合成されたアナンダミドの量が多いと、より強い鎮痛反応を誘導すると同時に軸索再生も阻害すると推論されるともコメント。つまり痛みが弱いと神経の再生も弱いということで、これは切断神経に痛み(再生痛)があるほうが神経機能の回復が起きやすい、という臨床的な経験則と符合するほか、欧米などで神経性疼痛の治療に用いられている医療用大麻などの投与(大麻はアナンダミドと同様、あるいはそれ以上の作用を持つとされている)は、もしかすると痛みの緩和と引き換えに軸索再生の機会を奪っているのかもしれないともコメントしている。

なーんてあるのですが、マッカラム博士はこう述べています。

こうしたアナンダミドの働きは、以前から行われている脳内化合物ドーパミンの研究結果ともうまく整合している。アナンダミドの量はドーパミンの生成量に直接関係しているが、「アナンダミドが少ないとドーパミンが多く出すぎて統合失調症のようになる人もいるし、逆の人もいます。」
「哺乳動物では、アナンダミドのレベルが低いと自然流産がおこりやくすなります。これは、アナンダミト・システムを閉じてしまうと病気になりやすいこととも符合しています。」
何だか板挟み状態になってきましたが、 名古屋大のグループは
今後の研究によりアナンダミドの作用のうち軸索再生阻害作用だけを阻害する安全な薬剤が開発できれば、痛みの緩和と軸索再生を両立できることが期待されるとしている。
Medical Simulation by Army Medicineと締めています。

研究次第なんでしょうが、人の体ってのはホントに難しいですね。
ちょっと間違ってしまえば、軸索再生だけではなくて、精神的に常にしんどい気持ちを抱いている人を作ってしまいかねない、ということですもんね。

いやぁ…。
もっと勉強します。

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